2015年1月31日土曜日

289:哀悼:ワイツゼッカー元ドイツ大統領が今朝亡くなりました。悲しみに包まれるドイツ:2月11日に国葬

リヒャード・フォン・ワイツゼッカ元大統領 DPA
 本日1月31日、元ドイツ大統領のリヒャード・フォン・ワイツゼッカー氏が亡くなったと先ほど連邦大統領府が伝えました。94歳でした。
 元大統領は、1985年の5月8日の敗戦40周年記念日に当時のまだボンにあった西ドイツの→連邦議会で行った演説(邦訳「荒野の40年」)で、「過去に目を閉ざす者は、現在に盲目だ/谁不反观历史,谁就会对现实盲目(中国語)」と述べて戦後ドイツの歴史認識に決定的な役割を果たし、中国だけでなく世界的な尊敬を集めた偉大な政治家でした。
  この演説は、同じ保守派の政治家として、その年の8月に靖国神社を参拝し、近隣諸国から非難を受けた当時の中曽根康弘首相の歴史認識とまさに対照的な行動として、日本とドイツの国際的な評価を決定づけることにもなりました。

 かつて1970年、ワルシャワゲットーの記念碑の前で跪いたウィリー・ブラント首相の東方外交とこの演説によってドイツは統一を果たすことができたのでした。ドイツは今、悲しみに包まれています。2月11日に国葬が行われると報道されています。

 心から哀悼を表します。

 先ほど発表されたガウク連邦大統領の、喪主である→マリアンネ元大統領夫人への弔辞。メルケル首相の→声明はこちら

 わたしも何度もワイツゼッカー氏の話しを直接聴いていますが、このブログで 読めるものはここにあります。中曽根氏についての彼の個人的な感想として非常にめずらしいものです。→日独の双子の「核の男爵たち」の破綻。
またちょうど1年前に執筆し、昨年の日本の憲法記念日に際してここでも紹介したものもあります。→「歴史からは逃げられない」。同文の→実物はこちらです。

一昨年にもお会いしましたが、その時の報告は近いうちに項を変えてしましょう。
1985年5月8日 敗戦40周年記念演説をするワイツゼッカー大統領。DPA

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