2013年8月5日月曜日

174:福島富岡町警戒区域の松村直登氏の闘いを「南ドイツ新聞」が生き生きと詳しく紹介

 ヒロシマ68周年を明日に控えた本日、「南ドイツ新聞」が第三面を全面使い「福島のヒバクシャ」のルポタージュを掲載しています。この「ヒバクシャ」とは福島県富岡町の警戒区域内で牛や多くの動物たちを放置できないと踏みとどまって孤独な闘いを続けている松村直登さんのことです。
(8日の追加です。次の→175回の報告にも松村氏に触れましたのでお読み下さい)
Süddeutsche Zeitung 5.August 2013 Seite 3
 シュテファン・クライン記者のこの記事のタイトルは翻訳が難しいのですが「最後の彼のやり方」とでもなるでしょうか。サブタイトルは「松村直登はフクシマの死の領域で唯一の人間として生きている。この人物は狂ってはいないどころか、そうする非常に理解できる理由を抱いている。」というものです。

同紙の第三面のルポタージュは、(本多勝一氏がそれを嘆き続けているように)日本の全国紙からは遥か昔に消えてしまった新聞記者の腕の見せ所の紙面です。ですからわたしも毎日必ず目を通します。
クライン記者は、彼の住居と牧場を訪ね、通訳を通しながらでも、松村さんの振る舞い、生活と考えを、生き生きと鋭く観察し、大変優れたルポとなっています。 ここの記事は同紙のサイトでは読めませんので、ドイツ在住のどなたかに、翻訳していただきたいものです。ある程度文学作品の翻訳能力のある方に勧めます。普通の新聞記事とは質が別ですので。
ネコと戯れる光景から始まり、住居内の描写、事故以来の体験、そしてアントワーヌ・ド・サン=テグジュベリの「星の王子さま」のキツネの言葉を取り上げ、松村氏の考えを紹介しています。フクシマ事故で「動物を放置することに耐えられず、最も被曝していることを自覚している」ひとりの人間を描写するのは容易なことではありません。

松村さんのホームページ→「警戒区域に生きる-松村直登の闘い」を拝見すると、取材は7月20日であったとのことです。
さっそく松村さんのページから取材の写真をお借りします。
村松直登氏のHPより借用
それによると、「取材は5時間続き疲れた」とありますが、村松さん、大変良い記事になっていますので安心してください。ドイツ社会に村松さんの怒りも含めた生き様が、生き生きと伝わることは間違いありません。

わたしからもクライン記者に感謝致します。
Herr Stefan Klein von SZ !
Herzlichen Dank  für Ihren ausgezeichneten Artikel übers Leben von Herrn Naoto
Muramatsu aus Fukushima.

以上とりあえずの報告とします。

 便乗するわけではありませんが、わたしからのお知らせです。
今週発売される「世界」9月号に、先月初め、国会で成立したドイツの高レベル放射線廃棄物の最終処分場立地選定法を紹介し、簡単ですが同時に躍進するドイツの再生可能エネルギー発電の現状も紹介しておきました。
タイトルは「核のゴミと民主主義・ドイツ『最終処分場立地選定法』の苦闘」です。
読者のみなさまに読んでいただければ幸いです。





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