2012年3月7日水曜日

75;予告:Nuclear Nation 日本初公開、3・11ドイツのテレビ特別番組など

1)先のベルリン映画祭で世界初上映され、大きな反響を呼んだ→舩橋淳監督のNuclear Nationが3月11日、撮影の現場である避難所の元高校の柔道場などで日本初上映されます。
なにしろ、主人公であるいまだに避難中の双葉町のみなさんと、井戸川町長も初めて観られることですので、上映それ自体が映画の続きのようなものでもあるのでニュースになりおそらくメディアも注目すると思います。
入場無料とのことですが、できる方は参加して双葉町の皆さんに連帯を表明して下さい。

なを、同映画をふくむベルリン映画祭に招待された三つのフクシマに関するベルリンからの論評は→ベルリン国際映画祭で観た3/11をテーマにしたドキュメンタリー映画たちをご覧ください。
筆者の梶村昌世はわたしの長女ですが、映画の専門家でベルリン映画祭の長年のスタッフのひとりです。典型的なベルリンっ子として視点は鋭いところがあります。

引用;
自分の市民のために動こうと一生懸命な井戸川町長に同行することによって日本の原子力政策の現状がだんだんと映し出され、観る側としては改めて日本の政治と官僚の無責任と無関心に情けなさと怒りを覚える。

2)3・11を前に今週はドイツの映像メディアでも特集記事や番組が多数あります。そのいくつかを紹介します。

* シュピーゲル誌電子版が→あれから一年:七つの人生、七つの運命と題して、震災津波と原発事故に遭遇した七人の人たちのこの一年の体験と回顧を映像で伝えています。すべて日本語でドイツ語の字幕ですので、これは日本向けではないかとさえ思わされます。カメラも優れています。いつでも観られます。

*本日3月7日(水)ZDF22:45。 ドイツ公共第2テレビ、ZDFのヨハネス・ハノ特派員が→特番「フクシマの嘘」 と題して日本政府、東電など原子力村の犯罪的な歴史と現状を告発するとのことです。現在でも公表されている被災地の汚染値がでたらめであることなどを暴き、嘘で固められた原発事故処理の現状までを厳しく批判する番組であるようです。批判力を去勢されている日本のテレビ報道へのクスリにでもなれば良いのですが。

(追加)ZDFはこの放映に先立ち、ハノ特派員の菅直人前首相との単独インタヴューを本日からHPで流しています。
タイトルは「国全体を覆う原子力ネットワーク」です。ビデオは→こちらで観れます。 事故発生直後からなぜ情報がなかったのか、首相と東電の関係など突っ込んだ質問がなされており、わたしも早々とここで記録した→東電乗り込み、また→最悪のシナリオについても前首相の口から証言を得ています。さらにメディアまで原子力村に取り込まれた日本の状態も話しており、フクシマ事故は人災であったとはっきり述べています。
面白いのは質問の終わりに 「日本はもうすぐすべての原発が停止し、最初の原発ゼロの国になるのでは?」戸の質問に対して、表情を崩しながら「最初の国はデンマークやドイツでしょうが、日本人はフクシマで国土の三分の一から半分を失う危機に直面したことを強く学んだので、原発ゼロに向かうと思う」と述べていることです。

(追加2)ZDFの上記二つのドキュメントを今しがた見ましたが感想です。

「フクシマの嘘」を制作したハノ特派員の問題意識は、事故に至った背景をはっきりさせないと、日本と世界で大事故がまた近く起きるという緊迫した問題意識です。東電の嘘で固めた歴史を追究し、菅直人の証言で全体の構造を裏付けています。大地震がまた近く起き、再度の原発事故が起きる可能性は強いとの危機感もあります。
これを見たドイツ人は、少なくとも東電の勝俣会長以下の首脳が、いまだに居座り刑事追訴されていないことを不思議に思うでしょう。ドイツであればとっくに業務上過失容疑で起訴されています。

この連中の刑事責任をきっちり追及できないなら、次は日本社会は原子力マフィアに無理心中を強いられるでしょう。ちゃんと刑務所に入ってもらわなければ、日本はとうてい法治国家とは言えません。
先日、河合弁護士らによる→株主訴訟で民事責任は提起されましたが、さらに検察は刑事責任を追及すべきです。


* 明日3月8日(木)3Sat 20:15。ドイツ公共第1テレビがドイツ語圏放送3Satの番組として→「日本・未来なき国?」でいまなを続く汚染地帯の人々の苦悩を現場のルポで伝え、日本政府の情報政策を批判するとのことです。


*3月9日(金)3Sat 21:30。日本の震災と事故による経済への負担をテーマにした→「岐路に立つ日本」が放映されます。

*追加です。既にご覧になった方も多いでしょうが、英国BBCが3月1日に放映した1時間番組「津波の子どもたち」は、子どもたちの証言を軸にした非常に素晴らしい貴重な記録です。歴史に残るドキュメントです。是非ご覧ください。これも証言は日本語で英語の字幕となっています。
どうやら、日本の外国メディアは日本のテレビ報道があまりにも低質なので、日本人に観てほしいと考えているのではないかとさえ思われます。
 →"Japan'schildren of the tsunami " 

 


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